5月12日
皆さんは芥川龍之介の『芋粥』という小説を御存じでしょうか?
時代は平安朝。
主人公は四十過ぎのうだつの上がらない男で、某の五位。
(名前は分からないので五位という官位で呼ばれています)
下役からさえ蔑まれるような男です。
そんな五位にも夢がありました。「芋粥」を飽きる程飲みたいという夢が。
しかし、その願いが実際に叶ってしまうと「芋粥が飽きる程飲みたい」と
願い続けることこそ幸せだったと気付くのです。
つまり願いがあり、その願いを達せむと夢想する事こそ幸せなんです。
世の中には簡単に尺ギスを釣ったり、70㎝オーバーの石鯛を釣ったり
10キロを超えるクエを釣ったりする人が居ます。
果たしてそういう人は幸せなのでせうか?
僕は芋粥を飽きるほど飲む前の五位のままでありたいです。
と、まあ、そういう訳なんであります。
出来れば尺ギスは釣れないで欲しいと願いつつ尺ギス狙いに行って来ました。
僕のデカギスシーズンもそろそろ終わりです。
これからは石鯛や真鯛やクエ、タマミ、シブダイ狙いなどの大物狙いに移行します。
なので今回が尺ギス狙いのラストチャンスかもしれません。
気合を入れて朝の5時30分釣り場到着。
風もなく、穏やかな天気です。
しかも早朝からの満ち上がりで潮も良く動いており、条件はとても良いです。
一投目から良いアタリがあり、いきなり20㎝オーバーのキスが釣れました。
その後も投げる度にアタリがあり、いづれも20㎝前後の良型のキスばかり。
その時はついに来ました!
コンッ という小さな前アタリの後に
ゴゴゴーン という強烈な竿引き。
スーさんに作ってもらったスー天秤です。反応も針掛かりも抜群です。
しっかり掛かった様です。
慎重に寄せて来ると途中
ゴンゴン と引き込みます。
これか? これが尺ギスの引きなのか。
ついに某の五位も芋粥を飽きる程飲む時が来たのか。
と嬉しい気持ちと少々寂しい気持ちが入り混じって尺ギスを抜き上げました。
なんだ、デカギスダブルかよ(*_*)
23㎝と22㎝のダブルでした。
デカギスのダブルが釣れたのが8時過ぎ。
この時を境に潮止まりとなりアタリも全く無くなりました。
時折、小さなアタリはあるもののすべてピンギス。
珍しく9時には納竿としました。
キス23㎝以下16匹(リリース含む) 真鯛(小)1匹
尺ギスは釣れませんでしたが、これで良かったのかもしれません。
次回に夢が持てます。
真鯛とシロギスのポワレ 雲丹ソース ~プロヴァンス風
ポワレは蒸し焼きなので素材そのものの味が出ます。
肉厚のデカギスはニンニクで香り付けをしたオリーブオイルでポワレにすると
ふっくらとして皮目はパリッとして臭みは全くなく、
ジューシーでほっこりしています。
少しあっさりしているので濃厚な雲丹ソースが合います。
塩レモンをちょっと付けて食べると爽やかで良い感じでした。
やっぱりまたデカギスを釣って食べたくなりました。